目覚めない
ベッドの上
ウタを教えて
くれた主人は
もう二度と
動かないの
たくさんの記憶に
さよなら
雨の冷たさも知らない
わたしは
普通のキカイ
ヒトの痛みも
分からずに
主人だけを
癒すモノ
朝は
必ずやってくるわ
なぐさめじゃなく
口癖のような
失う言い訳
書き出した文字は
無意味で
もう何ひとつ
残らないの
眠らない
星のように
またたくだけの
青い光が
穏やかに
カウントする
シアワセの仕組みに
さよなら
白い領域へ
落ちてゆくわ
主人のわたしは消える
このウタさえ
忘れながら
生まれ変わる
何度も
また誰かに
出逢う
また明日から
始まるでしょう
ゼロから積もる
フラグメント