特に予定もない
休日の午後
見慣れている
電話番号
君からの電話
相変わらず君が
僕を呼び出す
集合場所は
決まっていつも
駅前のファミレス
僕の胸に
そっと隠した
この想いを
君は知らない
無邪気に笑いながら
君が口にする名前
そのよく
知ってる響きが
辛くて仕方ない
君の好きな人は
僕の友達
あぁ神様
意地悪すぎるよ
気づけば迷路の中を
彷徨っている
あなたほど優しい
人はいないねって
悪気もなく
君が言うたび
突き放されてく
君という映画の
キャストで
例えるなら
あいつがヒーロー
僕はそれを
引き立たせる
エキストラ
食事を終えた
皿に残る寂しそうな
パセリを眺めて
せめてもう少しだけ
遠くの恋ならば
あの映画の
ワンシーンのように
このまま
連れ去るかも
僕の好きな人は
友達の恋人
あぁ全てが
フィクションで
あればいいのに
すらっとした指も
少し丸い鼻も
くりっとした二重も
小さめな胸も
その
どれもが一つとして
僕のもんじゃない
本当の気持ちなど
やっぱり言えないから
精一杯
ひねり出した言葉が
君に届けばいい
君の幸せを
これ以上願えない
あぁさよなら
元気でね
どうか僕を嫌いに
なっておくれ
さよなら愛する人