ボクを招き入れた
貴方は独りきり
古い写真だけが
家族だった
大切なひとを喪って
その心を閉ざして
夜を眺める
貴方の目は
とても哀しく
霞んでいた
ボクらを照らす
蒼い星の名は
ランジェルド
何もできないまま
季節は過ぎてゆく
ボクは
ただ貴方の
傍にいた
傷ついた
ひとを癒すには
まだココロが
足りない
落ち込むボクを
貴方の手が
初めてそっと
なでてくれた
ヒトよりヒトの
痛みがわかると
驚いて
貴方が旅に出る
前に
ボクに
云った言葉
あの星たちは
永遠にここを
照らすのだと
だからお前も
同じように
遠い未来を
時の果てを
私に代わり
見届けてほしい
なんて
ぼくを眺める
貴方の顔
なぜか霞んで
見えない
いつものように
笑っていて
ランジェルド
さようなら