桟橋から離れてく
古びたフェリーが
沈む太陽の影に
なっている
金の羽根が
浮かんだ海を
分ける波の軌跡が
ゆっくり
君への想いを
引きずってく
都会の暮らしは
やっぱり好きに
なれないって
ため息つきながら
言っていたのに
静かな故郷で
少し休んで
君は戻って
しまうんだね
長い髪を
束ねながら
やさしい言葉で
引き止めるよりも
目を細めて
見送ろう
帰る場所なら
ここにある
僕は待っているよ
もしも
傷つき疲れたら
Uターンして
来るんだ
君の近くに愛はある
この街でまた
暮らし始めよう
いつの日にか
また今日も
港へと近づく
フェリーが
昇る太陽の光
照らされて
デッキの上
まばらな人影が
誰かの姿を見つけて
安心したように
手を振る
潮の匂いがする風に
吹かれていないと
何だか落ち着かない
気がするだろう
車のクラクション
耳を塞いで
君は
窓閉めてしまった
波の音が恋しいはず
そんなに一人で
頑張っていても
心折れてしまうから
夢はここでも
見られるよ
そっと瞳閉じて
何が不幸で
しあわせか
微笑みの回数だろう
僕も
一緒に手を振ろう
桟橋にまた
迎えに行くよ
いつもの場所
そんなに
難しく考えないで
同窓会に来たように
帰る場所なら
ここにある
僕は待っているよ
もしも
傷つき疲れたら
Uターンして
来るんだ
君の近くに愛はある
この街でまた
暮らし始めよう
いつの日にか