君が一つくれた
mint gumの香り
少しずつ変化する
風に乗って
目に染みるよ
うつむく
横顔のライン
盗み見る仕草は
新しいきっかけを
待ち侘びていたよね
苦しい
暮れ行く
蒼が怖いから
裾を引き
走る横断歩道
涙を
見せてしまえば
何か
変わって
しまうでしょ
だから
何か言おうとしても
ねぇ
どれも違う気がした
耐えられない無言を
破る小雨の音
見上げて
踏み切り
前で通せんぼ
午後五時
刻むメトロノーム
ハードル
みたいな安全バー
二つ並ぶコンバース
そうだよ
君もそうなんだね
いちばん
早く気付いたんだ
いつから
君しか見てなかった
誰も知らないくらい
前から
変わる事がなかった
今のこの景色も
笑った意味
合いさえも
泣きたい
くらいに
夕凪
迫る濃紺に
五線譜
描く電線交差
君へと
続く点線が
いつか
矢印になればいい
暮れ行く
蒼が怖いから
裾口掴む
横断歩道
深呼吸
噛み締めたmint
季節は言う
同じだよ
まるで何か始まる
みたいに