ちいさな若葉が
のびるように
りょうの手空に
さしあげて
大地のかおり
すいこめば
わたしが
緑にそまってく
わたし
の中からあふれだす
春の
さけびは
いのちのさけび
こずえをわたる
風のように
春のさけび
よかなたへとどけ
ぶんぶん野原の
ハチのように
光の中をとびまわり
あつい空気を
すいこめば
わたしは
夏いろ蜜のいろ
わたし
をこんがり焼きあげる
夏の
かがやき
いのちのひかり
おわることない
歌のように
夏のよろこび
はてなくつづけ
木の葉がはらりと
おちるように
まつげを濡らして
うつむいて
ちいさな
溜息こぼしてる
わたしが
小雨ににじんでる
わたし
の深くにしずんでく
秋の
しずけさ
いのちの吐息
水面にうつる
影のように
秋のうれいは
かすかにゆれる
落葉にうもれた
タネのように
いのちをそうっと
抱きしめて
息をひそめて
ねむってる
わたしは
春をまっている
わたし
の中からあふれだす
春の
さけびは
いのちのさけび
雪わる南の
風のように
春のさけびよ
はるかにとどけ
こずえをわたる
風のように
春のさけびよ
かなたへとどけ
こずえをわたる
風のように
春のさけびよ
かなたへとどけ