異国の風に
流されるまま
眩すぎる朝に目醒め
故郷の地まで
繋がった空へと
手を翳した
過去を分かつ
馬車の轍
千の煌めきの
宮殿へ
黄金に染まる
ソレイユの
しるし掲げた
門をひらく
咲き誇れる
一輪の薔薇が
見つめていた
かりそめの刻
王妃の瞳に
隠された世界は
誰かの
愛とヴェリテ
拗れたいとが
選んだ小指
部屋に残る
その溜息
俯く姿
向かい合う鏡は
何映す
がくに溺れ
踊りましょう
何処か懐かしい
月の夜に
強く深く
抱きとめた
痛みもせずに
刺さる棘を
暗闇でも
気高き薔薇は
輝くから
光と影を
相伴う
旋律をなぞって
囁く
愛の言葉
零れてゆく
想いのように
剥がれてゆく
花びらが
遠い夢を
描く
失っても
あの日の薔薇の
美しさを
忘れられない
王妃の瞳に
隠された世界で
語るは
愛とヴェリテ