ひとしずく
聞こえない
音がこぼれた
あえかな光を
纏っていた
Can you hear me
寄るべない耳の
静寂の深く
魂の底へと響く
絶望の中で
生きていたと
気づかなかった
ゆっくり饐えてく
腐敗臭に
馴らされていた
人間ごっこを
してる魔物の
瞳の中
僕のニセモノ
みたいな
僕が映った
上手く笑えない
泣けない
けどナゼかわかる
やさしい涙の在処
嵐の向こう
予め失われた僕ら
得体知れない
痛みさえも
血流に変え
生まれつき
囚われた世界で
弱さにまみれながら
ヒトになりながら
陽の差す場所へ
ひた走ろう
絶望の亜種
希望へと
変異していた
その細胞の
厭わしさに
舌打ちをした
捨てられなくて
埋めて隠した
重いカケラの
ざらついた錆はもう
削れなくても
ちゃんと笑いたい
泣きたい
願い握りしめ
今日と
地続きの明日に
おびえないで
予め失われた愛を
見つけてさえ
それが愛と
特定できず
傷つけて
差し返された手を
汚してやっと
知ったヒトで
ある意味を
陽の差す場所へなお
無様に
引きずって走ろう
その命
使わないんでしょ
返して
とまとわりつく
片羽の妖精の
マボロシかき消した
ビョオビョオと
鳴く空に
僕は独り誓った
魂が尽きる日も
この手を遠くへ
伸ばすよ見果てぬ
時の先へ
予め失われた僕ら
得体知れない
痛みさえも
血流に変え
生まれつき
囚われた世界で
弱さにまみれながら
ヒトになりながら
陽の差す場所で見る
流る血は赤だろうか
恐れずにただ
ひた走ろう