君のことを
誤解してたんだ
僕を知らないって
思ってたんだ
充分距離を
置いたつもりが
ずっと僕は
見られていたのか
一つ空いた端っ
このブランコ
風のように
偶然座って
漕ぎ始めて
しばらくしてから
いつもここに
いるのねと
言った
ゆらりゆらり
揺れてたから
君の声が夕焼けに
吸い込まれて
しまいそうだ
今僕も
ゆっくり
ブランコ漕ぎながら
追いつこうとしたよ
あと少し
もうこれからは
言葉なんか
何もいらない
前へ後ろへ
僕らはただ
空を泳いだ
恋について
考えたことも
君が愛しいって
思ったことも
小さなため息に
変えたけど
いつか君と
話してみたくて
秋の終わり
枯葉が舞う頃
帰り道に
何度も通って
あのベンチで
誰かを待ってる
君をいつも
遠くで見ていた
なぜか
今日はさみしそうだ
長い髪がたなびいて
誰かが描く
デッサンみたい
一人きり
心はブランコ
乗らないまま
歩いているんだね
あの道を
ほら星空が
このつま先の
向こうに広がる
僕でいいなら
このまま一番
そばにいるから
もうこれからは
言葉なんか
何もいらない
前へ後ろへ
僕らはただ
空を泳いだ
今夢の中
時間の河が
静かに流れて
たった一つの
ブランコだけが
ここで揺れてる